
イソトレチノイン内服(難治性ニキビ)
イソトレチノイン内服(難治性ニキビ)
当院では、通常の外用薬や内服薬で効果が得られにくい「難治性ざ瘡(にきび)」に対し、イソトレチノイン内服治療を導入しています。
イソトレチノインは、ビタミンA(レチノール)に類似した成分で、皮脂の分泌を強力に抑える働きがあります。アメリカや欧州などでは、中等度から重度のにきびに対する第一選択薬として長年使用されてきた内服薬です。
日本では現在、保険適用外(自費診療)となっていますが、世界的には標準的な治療法とされています。
イソトレチノインは、以下の4つの要因に働きかけ、にきびの根本的な改善を目指します。
このように、にきびの「できる原因すべて」に作用する点が、他の治療法にはない大きな特徴です。
イソトレチノイン内服は、次のような患者さんにおすすめです。
※初回診察時に、皮膚の状態や全身の健康状態を確認した上で、適応を判断します。
イソトレチノインは非常に効果的な薬ですが、副作用のリスクもあるため、慎重な管理が必要です。
女性の患者様には、投与開始前の少なくとも1か月間、投与中および投与中止後少なくとも1ヶ月間は避妊が必要です。
治療開始前、治療開始1か月後、以降は1~3か月ごとに1回の採血が必要です(特に用量が安定していれば3か月ごとでも構いません)。
なお、健康診断や他院での採血結果がございましたら、内容によっては代用できる場合もあります。お手元に結果がある場合は、診察時にご持参ください。
※採血にかかる費用は5,500円(税込)です。
治療期間は個人差がありますが、一般的には以下のように設定されます。
1
初期悪化
治療開始後1〜2週間で一時的に悪化することがありますが、多くは数週間で改善に向かいます。
2
1ヶ月以降
赤みや炎症が徐々に軽快し、新しいにきびができにくくなります。
3
治療終了後
個人差がありますがほとんどの方でにきびが長期にわたり再発しなくなります。
指標 | おおよその数値 |
---|---|
寛解率 | 約85〜90% |
病変の減少(12週) | 約60〜80% |
再発率 | 約20〜40% |
再発しやすい要因 | 累積用量不足、女性、ホルモン依存型ざ瘡、早期中止 |
項目 | 料金 |
---|---|
10mg 30錠 | 7700円(税込) |
20mg 30錠 | 12100円(税込) |
※別途診察料(初診:3300円税込、再診:1100円税込)がかかります。
イソトレチノインは、にきびの根本治療を目指す非常に有効な内服薬です。効果が高い分、リスクもあるため、専門医のもとでの適切な管理が大切です。
当院では、治療前の十分な説明・血液検査・副作用管理を行いながら、安全にイソトレチノイン内服治療を行っています。
ご不明な点やご相談がある方は、お気軽に医師までご相談ください。