一般皮膚科
一般皮膚科
皮膚科はひふや髪、爪に関するトラブルや病気を診断・治療する分野です。湿疹やあせも、ニキビ、アトピー性皮膚炎、じんましん、いぼ、帯状疱疹、水虫などが身近な皮膚のトラブルとして知られております。皮膚科にかかるほどではないと、市販薬を使用して、治りが遅くなったり、誤った使用により皮膚トラブルが起こることもあります。また、一見ほくろや湿疹と思っていた症状が実は皮膚がんである可能性もあります。一人で悩まないで、ぜひお気軽にご相談ください。
このような症状の方はご相談ください
お子様からご年配の方まで皮膚疾患を幅広く診療しています。
皮膚の異常や気になる症状がある際は、小さなことでもお気軽にご相談ください。
とても多く見られる症状です。湿疹の症状は、人それぞれ異なる場合があります。一般的な症状としては赤い発疹、かゆみ、皮膚の乾燥などが挙げられます。ひどい場合は、水ぶくれなどができ、皮がむけることもあります。
湿疹は、さまざまな原因によって引き起こされることがあります。洗剤や石鹸、化粧品、植物、化学薬品などの特定の物質と接触することで生じたり(接触皮膚炎)、皮脂分泌の活発な部位に生じる湿疹や(脂漏生皮膚炎)、加齢や過度な洗い過ぎにより皮脂が減少し生じる湿疹(皮脂欠乏性湿疹)などもあります。湿疹はかゆみを伴うことが多く、つい掻いてしまいがちです。しかし、掻くことで患部をかき壊してしまい悪化を招き、さらに患部が広がりかゆみがひどくなることも少なくありません。治療はステロイド外用薬や保湿剤を使用します。かゆみがひどい場合は、抗ヒスタミン薬の内服でかゆみを軽減します。
アトピー性皮膚炎は、慢性的(乳児では2カ月以上、そのほかでは6カ月以上)に赤みやかゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚疾患です。赤みやかゆみを伴う皮疹が、体の左右同じような部位にあらわれます。顔や首、肘や膝などの関節部分などに皮疹が現れることが多いです。慢性かつ再発性の傾向があり、10歳までに自然に治る人も多いですが、近年では思春期・成人期まで軽快しないものや成人になって発症する人も増加しています。
個々の症状にあわせた外用薬、内服薬の選択から、スキンケアの方法、外用薬の塗り方の指導を行います。できるだけ症状が軽く、日常生活に支障を来すような状態にならないように、肌の状態を維持することを目標として治療していきます。治りが悪く、皮疹の面積が広範囲におよび、痒みや症状が悪い場合には入院治療や抗IL-4/13受容体モノクローナル抗体や抗IL-31受容体Aモノクローナル抗体の注射治療やJAK阻害薬の内服なども適応となります。必要に応じて連携病院へご紹介いたしますので、ご相談ください。
じんましんは皮膚の一部が突然くっきりと赤く盛り上がり(膨疹)、しばらくすると跡形もなくかゆみと皮疹が消えるという特徴があります。多くはかゆみを伴いますが、チクチクとした感じや焼けるような感じになることもあります。一般的には、数時間から数日で自然に消失することが多いですが、一部の場合では長期化することもあります。
治療は、まず原因や悪化因子を探して、それらを取り除く、または避けるようにすることです。アレルギーが原因であれば、その原因アレルゲンや刺激を回避します。仕事や勉強などのストレスや不規則な生活を避けることも重要です。ただし、蕁麻疹の原因はさまざまですが、原因が不明である特発性蕁麻疹が約90%を占めております。薬物治療は、抗ヒスタミン薬の内服が中心ですが、難治性の場合には短期間のステロイドの内服や、抗IgE抗体(オマリズマブ)の注射が効果的なこともあります。
ニキビは、毛穴の中に皮脂や角質がたまり炎症を起こす皮膚疾患です。すぐに良くなるものから痕になって残ってしまうケースもあります。特に思春期の10代から20代にかけて多く見られ、成人以降は次第に減少していきますが、大人になってもニキビができる方も多くいらっしゃいます。また最近ではマスクをつける生活が増えており、ニキビの相談を受けることが以前より多くなっています。治療は毛穴のつまりを改善させる外用剤を使用することが多いです。ニキビに炎症がある場合は、毛穴のつまりを改善する治療に加えてアクネ菌や炎症に有効な抗菌薬の塗り薬を、また症状がひどい場合は抗菌薬の内服も併用する場合もあります。
その他、ニキビの中にたまっている角質や皮脂、膿などを押し出す面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)や自費治療となりますがケミカルピーリングなども有効なことが知られております。
単純ヘルペスウイルスに感染することで発症します。口の周りや口内に小さな水ぶくれや傷ができる1型と、主に性器やその周辺に発症する2型の2種類のウイルスが関連しています。初めて感染したときは、人によってひどい症状が出現することがあります。口内に小さな深い傷ができ痛みで水分がとれなかったり、高熱や歯ぐきが赤く腫れて出血したりすることもあります。治療は抗ウイルス薬の内服を行います。再発が年に何回も起こり、日常生活でお困りの方には毎日内服する再発抑制療法や、あらかじめ処方された抗ウイルス薬をヘルペスの予兆を感じた際に患者さんの判断で内服するPIT(Patient Initiated Therapy)という治療方法もあります。
水痘(みずぼうそう)と同じウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)によって発症する病気です。頭部から下肢までの間で体の左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う赤い斑点と水ぶくれが多数集まり帯状に出現します。上半身に現れることが多く、顔面、眼の周囲にみられることもあります。ピリピリと刺すような痛みが生じ、夜も眠れないほど痛みが激しい場合もあります。
多くは、皮膚症状が治ると痛みも消失しますが、神経の損傷によってその後も痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」という合併症が残ることがあるため、早期に治療することが非常に大切です。また顔に生じた場合、眼の障害や顔面神経麻痺、内耳障害によるめまい・耳鳴りなどが起こることがまれにあり、後遺症を残すこともあり入院での治療が必要な場合もあります。
料金
接種費用:22.000円(税込)×2回
助成額:10.000円/回
※令和5年3月31日以前に接種した場合、区民が接種された帯状疱疹ワクチン費用に関する償還払いは実施しません。また、区が交付する予診票を用いない接種は、対象外となります。
帯状疱疹ワクチンの種類について
帯状疱疹のワクチンは現在2種類存在します。当院では、不活化ワクチンである「シングリックス」を採用しています。
種類 | シングリックス |
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接種回数 | 2回 |
接種方法 | 筋肉内注射(1回目から2~6か月以内に2回目を接種) |
有効性 | 50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8% |
持続性 | 10年程度 |
副反応 | 注射部位の疼痛・掻痒感・熱感・腫脹・発赤、胃腸症状、頭痛、筋肉痛、疲労、悪寒、発熱、倦怠感等 まれに重大な副反応としてアナフィラキシーが現れることがある |
掌蹠膿疱症は手のひら、足のうら(特に土踏まず部)に小さな水ぶくれが多発し、その後膿疱となり周囲は赤くなります。
明らかな原因はわかっておりませんが、喫煙や扁桃炎、虫歯、歯科金属アレルギーなどの関与が指摘されております。
治療は、長期喫煙者では禁煙が著効することが多いです。病巣感染症(扁桃腺炎なろ)があれば、摘出が有効なこともあります。皮疹にはステロイドやビタミンD3の外用を行います。その他、紫外線療法(当院ではターゲット型エキシマを使用しております)やビタミンA誘導体のチガソンなどの内服を行うこともあります。
※チガソンは催奇形性があり、妊娠中はもちろんのこと、内服終了後、女性は2年間、男性は6カ月間避妊する必要があります。
乾癬(かんせん)は遺伝的な素因や環境因子など様々な因子によって免疫系が活性化され、皮膚に白くカサカサしたフケのようなもの(鱗屑)が付いたり、皮膚が赤くなり、盛り上がった発疹が全身に広がったりする皮膚疾患です。
大きさや数、形は様々で、発疹が癒合し大きな病変となることもあります。爪の変形や関節炎を伴うこともあります。刺激を受けやすい部位にできやすく、頭部、ひじ、ひざ、でん部、下腿などに多く見られます。かゆみは半数程度の方にみられます。
最近の研究では単なる皮膚疾患ではなく、全身的な炎症反応が関与する慢性炎症性疾患であることがわかってきており、内臓にも影響を及ぼすことが示唆されております。特に乾癬患者の中には心血管疾患、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの内臓疾患のリスクが高まる傾向があるという研究結果が報告されております。定期的に医師の診察を受け、必要に応じて健康管理に注意を払うことが重要です。そして症状の程度や状況などに応じた治療法が選択されます。
“水虫”は俗称で、皮膚科では足白癬と言います。カビの一種である白癬菌が足の皮膚に寄生することで発症します。主に足の裏や足の指の間に小さな水泡ができたり、皮がむけたり白くふやけたりします。他に足の裏、踵(かかと)の皮膚が厚く硬くなるなどの症状がみられることもあります。
爪水虫(爪白癬)は白癬菌が爪に感染し発症します。爪が白く濁り、ボロボロになったり、爪が変形したりします。治療は症状に応じて抗真菌薬の外用薬や内服薬を使用します。
いぼは皮膚から盛り上がっている小さなできもので、ヒトパピローマウイルスの感染によって発症することから、ウイルス性疣贅(ゆうぜい)と呼ばれています。いぼのウイルスは傷などから皮膚に入り、皮膚の細胞に感染して、周囲の正常細胞を押しのけて増殖し続けます。痛みやかゆみは伴いませんが、放置するとさらに増えたり、人にうつしたりすることがあります。小児の手足に好発しますが、成人になってから発症することもあります。
いぼができ、掻いて治そうとすることでウイルスを拡散してしまう可能性があります。いぼを見つけたときは、数が少ないうちにご相談ください。いぼの治療は、主に液体窒素による凍結療法ですが、貼り薬や漢方薬を併用するなど個人の症状に適切なものを選んで行います。
足の皮膚の一部分に慢性的な圧迫などの刺激が加わり発症します。たこは皮膚表面の角質が部分的に厚くなるもので多くは痛みはありませんが、痛みや赤みを伴う場合は、細菌感染を起こしている可能性がありますので、早めに皮膚科を受診してください。うおのめは厚くなった部分にさらに刺激を受けて硬く、芯を持つようになってきます。歩く度に刺激され痛みが生じます。治療はメスなどで削る角質除去法などがあります。
また、足の裏によくできるのが足底疣贅(そくていゆうぜい)といういぼの一種です。うおのめと似ていますが、これはウイルス性の疾患であり知らずに削ってしまうと、かえって患部を広げてしまうことがありますので注意が必要です。鑑別をきちんとつけるためにも、皮膚科の受診をお勧めします。
悪性黒色腫(メラノーマ)や基底細胞がん、有棘細胞がんなどが多いですが、その他にも様々ながんがあります。単なるほくろと思っていたものや、治りが悪い湿疹が実は「がん」であることが病理検査にてわかることもしばしばあります。
早期発見、早期治療がとても重要です。疑わしい皮膚の病変や変化などがありましたら、皮膚科を受診して専門的な診断と治療を受けることが大切です。