多汗症
- 2024年4月12日
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多汗症とは
多汗症は、発汗時に必要以上の汗が出てしまい、症状の程度によっては日常生活のさまざまな場面で支障をきたします。
多汗症には、全身に発汗が多くみられる「全身性多汗症」と、身体の一部(頭部、顔、脇、手のひらや足の裏など)で発汗が多くみられる「局所性多汗症」があります。
発汗の原因となる病気(神経障害や感染症、内分泌代謝異常、精神的緊張など)がある場合(続発性)と、原因が不明の場合(原発性)に分けられます。ほとんどの場合が原因不明の原発性多汗症です。
原発性局所多汗症の診断
原因不明の過剰な発汗が6カ月以上続き、診断基準の2つ以上に該当すると、原発性局所多汗症と診断されます。
- 原発性腋窩多汗症の診断基準
最初に多感の症状が出た年齢は25歳以下
左右対称性に多く汗をかく
睡眠中はひどい発汗は止まっている
週1回以上多汗の症状がみられる
家族にも同じ症状の方がいる
日常生活に支障をきたしている
- 重症度分類
局所多汗症はピーク時における発汗の程度で重症度は4段階で判定されます。
重症度1 発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
重症度2 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
重症度3 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
重症度4 発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある
治療法
外用薬
・塩化アルミニウム外用療法
皮膚表面にある汗の出口を塞ぐことで、発汗を抑えます。効果の持続時間には個人差があります。副作用として、かぶれやひりひり感などがあります。
・抗コリン薬外用療法
皮膚から吸収され、発汗を促す物質(アセチルコリン)をブロックすることで、過剰な発汗を抑えます。副作用として、塗布部位の皮膚の炎症や湿疹、口の渇きなどがあります。
イオントフォレーシス療法
主に手足の多汗症に用いられます。水中で発生させた水素イオンが汗の出口を小さくすることで発汗を抑えます。
ボツリヌス毒素療法
ボツリヌス毒素には、発汗を促す交感神経から汗腺への刺激をブロックして発汗を抑える作用があります。多汗症の部位に複数個所注射します。主な副作用として、注射部位の腫れや痛みなどがあります。
外科的手術
発汗にかかわる交感神経の神経の節を切除または焼灼する交感神経遮断術や、汗腺を除去する手術があります。副作用として、代償性発汗(体のほかの部位からの発汗が増える)が生じることがあります。
抗コリン経口薬
全身性多汗症の治療では、抗コリン剤を内服します。副作用として便秘になることがあります。緑内障や前立腺肥大症の方は、抗コリン剤を内服することができません。
汗のことでお悩みがございましたら、ご遠慮なく当院へご相談ください。